間違いだらけの急須選び





この急須選びは長年、お茶屋を営んできた静岡県沼津の『四代目お茶きん』が(現在は五代目)、美味しくお茶を煎れるには、どのような急須を選択したらいいかというお客様のご要望にお応えして、今までの知識を 文書化したものです

 


意外に知られていない急須の選び方(その1)

お茶を入れるときにお茶の葉、湯の温度、茶碗などに気を使っても 急須本体に目を向ける人は数少ないと思う。これが案外大切で お茶の味が変わってしまうことさえある。試しに御家庭にある数種の急須で同じ茶葉、湯の量で飲んで実験してみると面白いだろう、急須の種類や形によってこんなに味が違うのか!と驚く筈である。美味しく出る急須を知っていれば生活は潤い楽しくなる。

まず陶器製の『(常滑)とこなめ焼き』などを選ぶこと、窯業工学(Ceramic technology) 上から科学的に考察すれば、特に常滑焼きは酸化鉄多く含んだ土で作るため、お茶を入れたときにお茶の タンニンと反応し苦さがとれ、味がまろやかになるといわれているが「常滑焼=美味しく出る」の方程式は様々な要因がありそんなに単純ではない、、。
また昔からの製造方法で作られた急須は陶器製(正確には様々な焼き温度や土があるが磁器と陶器の中間くらい)なため吸水率がある、従って長年使うと色ツヤがよくなりなんとも言え ない味がでてくる(注意:色ツヤが出て来る前に割らないこと!)
また意外に皆やってしまうことがある、陶器製の物は吸水率が高いので原則として、 漂白剤など使用しないこと、使用した時からある日突然お茶がまずく なってしまった、薬品臭がするなんてことになってしまう、この場合はよく水洗いし数回にわたり茶ガラに浸しておくとよい。

※長期にわたって使用した急須は急須口の中にお茶がヘドロ状にたまってしまい衛生上よくないし 固定されたアミではこの面積が大きな急須ほど、この汚れが多いし、お茶も美味しくでないので急須専用ブラシでこまめに掃除することをお勧めする。

次回は"実際に選んでみよう編"です。

 


誰も言わなかった急須の選び方(その2)4月1日

"実際に選んでみよう編"
さて、一般的な朱泥の常滑急須を選んでみましょう。まずはじめに、急須全体の造りをみましょう、急須を手にとり眺めて下さい、 取っ手などの取付け部分はしっかりと付いていますか。

※急須の取っ手や底、フタには作者や窯などの名称が刻印されていたりして何処の出生か判るようになっておりますので今使用されている急須をご覧下さい。

次にフタをとって『すり合わせ』の具合を見てください。 写真の様に急須のフタが乗っかる部分、『棚』が白っぽくなっているのがわかりますか? 急須本体と、それに合うフタを造るため、一つ一つ急須とフタを磨り合せ、密着精度を高めます、この工程が『すり合わせ』です。
『すり合わせ』が上手く出来ている急須はフタのガタツキがありません。

この『すり合わせ』が完璧に良く出来ていると急須にお湯をいれフタをし、フタの空気穴を手でしっかりと塞ぎ急須口を 下にして注ぐと始めはお湯が流れますがそのうち出にくくなり止まります、またフタの穴を開放すると再び流れ出します。
これは急須の中が負圧になり中のお湯は入っているのにもかかわらず流れ出さないのです。
少しでも隙間があると空気が入って急須の中のお湯は流れ出してしまいます。

『すり合わせ』の完成度をもとめる方は店の人に言って水を実際に入れてみて試してから購入すると 良いでしょう。結構値段も高いですがフタがピッタリしていると気持ちが良いものです。

次にフタを外して写真の様に平らの所で立てて見て下さい。(なんか、遊んでいるみたいですネ) どうですか、立ちましたか?。見事立ったら急須全体のバランスが良いという事です、このバランスが良いと使い安く、注ぎやすいです。

※ご注意:上記の事は私の経験上の事ですので実際に立つ事が絶対条件ではないですが立たない急須と立つ意志?がある急須とでは何故か立つ急須の方が使い勝手が良いと思っております。( 取っ手先端のカットによって違うため同じ立つ急須でも個体差あり)

[立つ意志]とは立ててみて、まったくバランスがとれないのではなく、倒れるがなんとなくもう少しで立つ急須のことです、同じ立つ急須でも取っ手の先端の微妙な切断や形状の違いから最終的に倒れてしまう急須がありますがこれも立つ急須と考えています。


急須選びには実際にご自分で手にとって手になじむ急須を選び、出来れば茶葉で試してみて(多分これは無理かも)選択されると間違いないと思う。デザイン良し手にもなじむし、さぞかし使いよいだろうと購入した急須でもいざ家に帰って茶葉を入れてみたら意外な欠点があったという事もある。当ホームページに掲載している急須類は実際に私が試して良かれと思った物を紹介しているつもりだ(用途別)。

※話がまとまらず読みにくい、、(私も感じています!)すみません
 最近あることに気がつきました、今さらと自分自身体験したことですが新しい急須の試験で最初に水洗いして中にはった水を急須口から流した時に「スムースに水が出る急須」と「出ない急須」がある!フタの空気導入の穴の関係か?とフタを外してやってみてもやはり何故か詰まっている感じなのである、ここに実際に茶葉が入ったらまず詰まる(実際そうであった)、タイマー片手に同じ量の水を入れて同じロットの他の急須と比較し測ったところやはり3秒から5秒流れが悪いのである、この差は何?、、勿論急須の口の広さに影響受けることは知っていたがどうもそのような感じではないのである、茶葉が入っていない状態でこのような感覚はいや実際に時間がかかり過ぎている、、
茶漉し部分になにか異常がある、、幸いにこの急須はステンレス網だったので一度取り外してみた、特に何か流れを妨げるものは発見されなかったので再度装着した、、同じように水を入れ実験、なんと今度はスムースに流れる!! 何?($・・)/~~~目が点、、
何が違うの、、取り外して取り付け実験を繰り返すこと数回、、鯨飲ちがう原因
(よく「げいいん」と打つとこなる)が判明!!!

要は「急須とアミの距離」であることが判った、アミの取り外し装着を繰り返しているうちにこの距離が変化していたのだ。
結果、 本体にアミを密着しすぎると出にくい、ある程度離して装着すると出やすい

急須の茶漉しアミ部分の胴体への密着度の影響
例として、ステンレスさわやかアミで実験。
当然だが同じ急須で再現実験をしてみた、この急須の構造は左図のような急須である。

赤い部分が通常の「さわやかアミ」を表示(上の図)、急須胴体の穴は上の急須も下の急須も同じ大きさとなる、アミが胴体に密着しすぎると(下の図)胴体内側から見ると、見かけ上アミの表面積が変わってしまいかなり小さくなる(胴体の穴と同じ大きさとなる)従って流体の流れが悪くなる。
 水のみの実験でこのような状態で実際に茶葉を入れてみたらどうだろ、早速一煎目を出してみたが一煎目から詰まってしまった、また二煎目、三煎目になってくると茶葉が開き水分を吸って茶葉に含まれる糊のような成分ペクチンで茶葉同士がヒッツキ完全にでていかなくなる。

※追加実験としてこのアミを切って胴体に開いた穴から押し込んで急須の胴体の外側に装着する方法をしてみた、つまり完全に胴体の穴の直径とした場合にはもっと酷い結果となった。


※急須を洗う時にアミ部分をブラシなどで洗っているうちにアミが潰れて下のような状態になってしまい茶葉が以前と違い詰まるという方は是非アミを一度取り外してペンチなどで成形しなおしてみるといい。

※誤解を招くといけないので追記しておくと上記の事は2,3人以上の一般的な急須でのことである、様々な急須を実際に取り寄せ試験し販売する側にとって当然このようなことは100%考慮されていてもいいのではないかと思っていたが中にはそうでもない急須もあった。
また陶器製の茶漉しは実はこのような事を考慮して焼かれているものが多い、茶漉し部分がが半円球などになっているものは表面積を大きくしてこの問題を解決している、また宝瓶などで茶漉し部分が無く胴体に直接いくつかの穴を開けてある物があるがまず大きな容量のものはない、つまり少量を一人で楽しむならこの流れの悪さを逆に利用してじっくりと茶の成分を浸出できる。(穴の数。大きさ、角度によって個体差があるので使いこなせば味がでる、実際私はこの宝瓶で献上茶などを楽しみました)

※急須を替えたら「いつものお茶の味が変わった」ということはこれが一つの要因でもある



脱線したので元にもどります、、、


また、急須を真上から見たとき、取っ手の取付け角度はフタを中心として注ぎ口と90度ではなく内側に取り付けてあるのがわかるとと思います、 90度に取り付けると、茶碗に注いだ時に上手く狙った位置に注ぎ込まれません、多少内側に取り付けることにより、違和感なく自然に注ぎ込まれます。
私が調べた所、5度から10度位内側に入った急須が多くみられました。

<ここ迄のまとめ>
1,常滑(とこなめ)急須を選ぶ
2,水を満水まで入れてみてフタをし水の流れがスムースか
3,『すり合せ』が完璧
4,急須が立つ(個人的見解)
5,取っ手が内側に取り付けてある
 
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