最適なお湯の温度がわかる道具

温度の測定はいろいろと使ってみましたがご家庭では入手が簡単で臭いが移らない衛生的な「ガラスの温度計(赤い液が入っているタイプ)450円」か「キッチン用デジタル温度計3000円」が良いでしょう。 実用性ならばティー専用温度計も使いやすいです!

 

温度感覚について

店の来店してくださるお客様に少々実験に参加してもらった、煎茶茶碗に入れたお湯で「この温度は?」と尋ねたみた。手で器に触っていただき温度を中てていただくのである、、、「50度」 「80度」 「90度」といった具合でまず当らないのである、答えは65度であるがなかなか難しい事がわかった。また二つくらい温度が違う茶碗を用意して「どちらが温度が高い?」という質問ではほぼ100%近い正解がえられた。この場合の温度差は約3度位であったが比較対象があるとわかりやすいこともわかった。
いろいろ年間を通して実験してみると冬場は温度を実際より熱く感じ 夏場は低く感じるこれは皮膚の温度によって温度を感じる温点のセンサーが感じ方に差異を生じてきていることだと思う。この違いは季節によって違うし人によっても感じ方がちがうのである。またその日の天気、気圧によっても沸点が違うため以外にお湯を沸かす事は以外に難しい、私個人にしてもいつも一日の中でも感じ方が違っていることを痛感している。

そこでやはりいつも美味しく安定したお茶を淹れるには温度計は必須アイテムである。

※よく日本茶インストラクターでの呈茶で「温度計は使用しないでください、、」と指導される方がいるがはたしてそうであろうか、人により感じ方が違う以上私は温度計を使用 するべきだと考えている。

※自分の店でお湯温度、器の温度低下率、同じ器など変化がない時は長年の経験と学習効果でわかる時もあるが急須や茶碗が違ってくると温度の低下も変化してくるし自分が慣れていないお湯、急須、器で淹れてくださいといった場面ではわかりにくく温度の認識は重要である。

接触型の温度計は安くて良いが食品(お湯)に直接触れて計らなければならないためお客様の前で計ると温度計の赤い液体が安定するまで時間がかかってしまうのと何といっても衛生面で嫌がられる場合もありあまり好ましくない。

そこで非接触型の放射温度計を活用する
測定時間は0.5秒で測定物に触れないで即座に測定可能

放射温度計にて湯温を測定中 茶碗にお湯を投入後10秒ほどして測定した。
表示は74.2℃ 棒温度計は75℃を表示していた

※いろいろ試してみたがなるべく1cm以内位で近づけて計ると正確に測定できる。
また光っている物体には正確な温度は測定できないため黒色のマジックで測定点だけを塗っても良いかも、数箇所測定して一番高い温度が湯温である

私は棒温度計(ヤカンやポットのお湯測定)と放射温度計(湯冷ましの時のお湯測定)を併用してる。

では実際にポット内80℃を湯冷ましするとどうのように温度が変化していくのだろうか。今回は急須を湯冷ましとして使用し測定してみた。
x軸:時間(分)を一分毎に急須中心部(赤色温度計)と急須側面(放射温度計)、急須低部(放射温度計にて測定


湯250cc投入後、ポット湯温80℃が1分後に69℃と約10℃減少、6分後には60℃となっている、側面と底の温度差は2.3℃あったが3分後には次第に同じとなる。何故側面の温度が高いのか数点の急須で調べてみたが同じように1〜2℃の差がありいずれも側面温度が底部よりも高い結果とな りお湯の温度に近いのは側面となった、当初私は底の方が実温度に近いと考えていたため逆の結果となった。そこで冷め具合を検討するため湯を捨てた後の湯廃棄後 を調べてみた、結果は同じように側面温度が底部よりも温度が高い。考察するに側面はお湯の触れる表面積が底部よりも大きいため熱が蓄熱 (湯の温度よりは放熱もあるので高くはならない)された結果と考えられる、従って湯の温度を手で感じるのは底に手を当ててみるより、側面の方が実温度に近い感触が得られる。
温度をみるとき湯冷ましや急須の底に手をあててみるよりは急須の側面の方が実温度に近い。ただし実験中でも湯の投入量により7,8分目まではそれで良いが半分以下になるとお湯の水位が測定点から外れたため逆に底部より側面が極端に低い温度となる事があった、従って急須中心部の温度を手の感触でみる場合は湯量半分以上 では側面で手を当て温度を推測、半分以下では間違って湯の境目あたりに手がいかないように急須の底部を手の平で包み側面にも指で触れる、つまり包み込むように手を当てて温度を推測した方がより正確ではないだろうか。
※70℃のお湯ではチョッと触っただけで熱いと感じ、持っても1秒位が限度、60℃位でやっと長い時間持っていられる。(サランラップにて試験)

 

参考実験
湯冷ましを使用しないで直接使用できるには、、
  保温ポットの温度低下のグラフです

上記グラフは気温26度で家庭にある電気を使用しない保温型ポットでヤカンを用いガスで沸騰後ポットに移して測定してみました
沸騰したと思ってもすぐにポット内部はポット自体に熱を吸収されて90度になってしまいます、お茶(高級、普通緑茶)として使用するのは5時間後から8時間後の間がいいでしょう。応用で夜10時頃に沸かしてポットにいれておけば朝には程よい加減のお湯が出来上がっていますのでそのまま急須にいれてもOKです。

 

ポット1とポット2の違いは材質による違いです。
ポット1はガラス製
ポット2はステンレス製
※5℃の差は大きいです
     

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